【3日目・酛(酒母)造り】
まずは、先日完成した2種類の麹を小分けにしてまとめます。それぞれ役割が違うので、別々に管理する必要があり、
一方はしっかり米を溶かす力のある麹、もう一方は香りなどを生成しやすい麹になっているようです。
この麹を初添え、仲添え、留添えに計量して分けます。
3つの添え、(三段仕込み)の簡単な説明
⇨麹と蒸米を三段階に分けて加えていくことによって、酵母に対して適応可能なゆるやかな環境変化を与え、その活性を損なわないようにする工夫のこと。または、その工夫をこらした製法と、その製法で造られた完成酒をいう。
分ける三段階を、初めから初添(はつぞえ)、仲添(なかぞえ)、留添(とめぞえ)と呼ぶ
この後、酛に合わせる掛米を蒸します。
蒸すことに関しては初日にも説明させていただきましたが、参加したスタッフが素朴な疑問をぶつけてくれたので、この日はもう少し突っ込んでご教授いただきました。
Q:少しずつ米を追加し、水分を飛ばす作業を繰り返しているが、その追加のタイミングはどう判断しているのか?
A:白いお米の透過具合で判断している。白っぽい→透明になっていく状態を目視で判断して追加(もう少ししっかりした話でしたが、ざっくりでご容赦ください)
今回使う亀の尾は、自身の手で投入、身体に蒸気を浴びて身体にも米香を投入しました笑
蒸しあがりを待っている間は、他商品の添えのお手伝いやお米や道具を扱う際の心構えなどの有難いお話を寺澤杜氏よりお聞かせくださり、
普段何気なく過ごしている中にも大事なものがあると考えさせられました。
少し話を戻して、、
小分けした麹米は、今日酛にする分と、後々使う方とに分けます。後に使う方は冷凍にしてお休みさせます。
その後は使った用具をお掃除。
酒造りの仕事というのは半分かそれ以上が清掃や、冷た〜い水に触れながらの洗い物などに費やすそうです。
日本酒造り、っていうと聞こえはいいですが、楽だったり楽しい事ばかりではないものですね。
どんな仕事もそうだと思いますが…
と、そうこうしている間にお米が蒸しあがって参りました。
酛(酒母)造りのスタートです!
お米をほぐして広げて急冷しますが、酛に使われるお米はやや高めの温度で仕上げます。
こちらは繰り返しお伝えしているように、少し硬めなお米である事も要因なんでしょうかね?
その後、狙った温度になったお米を、先述の小分けした麹米に、水と乳酸(これがいわゆる速醸酛というやつ)を加えて待ち構えた酛に投入!
そして!さらに加えて参りますのが
「酵母」です!
今回は
9号系の酵母を使用するそう。
酵母とは?
お米に含まれる糖分をアルコールに変えます。その際に香りも出します。(かなりはしょってるので、詳細はググってください)
さらっと書いておりますが、お酒の質を決める重要な要素であります。
こちらを加えたら、後日の段仕込みで大暴れしてもらうために、しばしお休みしていただきます。
ここで我らの酒の工程は終了となりましたが、同時並行で行なっている他商品の、留添えのお手伝いをさせていただきました。
「留添え」というのは段仕込みの最後の添え。これを行った日から「醪(もろみ)」と呼ばれる事になり、その1日目となります。
そちらを終えたら、また大事な商売道具に感謝を込めて洗浄します。
さらに!この時はナイスタイミング!
ちょうど出来上がったお酒を搾る場面に立ち会える事になりました!
搾りたてを少し試飲、味の美味しさは言わずもがな、最高でした!
流れも見れたので、今後の搾りの時の為にもいい予習になりましたね!
こちらでこの日の作業は終了です。
今回は大学3年生コンビが参加、これから人生の大きな決断をする事になる多感の時期です。
酒造りという体験に加え、杜氏さんからしばしば仕事に対する姿勢みたいなお話等も、今後一生の財産になってくれたらと願いつつ、自分自身も同じ年頃にこのような経験をしていたらなぁと、嫉妬を覚えてしまいますね(^^)
以上、30時間以上寝ずに頑張ったアラフォーのレポートとさせていただきます!
次回は初添えを行います。
引き続きよろしくお願い致します!
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