
【赤武酒造(AKABU)】“凡事を非凡に”を体現する、岩手の注目酒蔵を見学しました!
今回は、岩手県盛岡市に蔵を構える、今もっとも勢いのある日本酒蔵のひとつ「赤武酒造」さんを訪問してきました!
「AKABU」というブランド名で知られ、若い世代の杜氏とスタッフが中心となって、品質とブランディングの両輪を磨き上げている注目の酒蔵。
その現場を、今回はじっくり見学させていただきました。

■「普通」がどれだけすごいかを知る見学体験
まず率直な感想からお伝えすると、赤武酒造さんの酒造りは、とても“普通”でした。
ただしここでいう“普通”は、決してマイナスな意味ではなく、
むしろ「お手本のような丁寧な仕事ぶりが徹底されていた」という意味です。
製造現場の整理整頓、導線設計、衛生管理、労働環境、業務の仕組み化…。
すべてが、極めて高いレベルで“当たり前”を実現しており、
まさに我々が掲げる「凡事を非凡に徹底せよ」を体現する酒蔵だと感じました。
■若きチームが築き上げた「復活蔵」

赤武酒造さんは、2011年の東日本大震災で、旧蔵があった大槌町の施設が全壊。
その後、盛岡市に移転して2013年に再スタートを切りました。
中心となっているのは、代表のご子息であり製造責任者の古舘龍之介さん。
大学卒業後すぐに蔵に入り、20〜30代の若いチームとともに一から蔵を築き上げてきたのだそうです。
現在の蔵は、若い世代や女性も多く活躍し、
8時〜17時勤務・完全週休二日制に近い体制・空調設備完備といった働きやすさが整っています。
こうした環境の良さが、結果として品質の高さにもつながっているのだと実感しました。
■品質を支える合理的な仕組みと設備

蔵の設計は2階建て。原料処理は2階で行い、米の移動にはクレーンやローラーを活用。
重労働をできる限り排除する合理的な設計が印象的でした。
また、麹室は木造で手入れがしやすく、放冷機や冷蔵ヤブタなどの設備も完備。
火入れは一回、瓶貯蔵で管理され、品質と衛生を徹底する仕組みが細部にまで行き渡っていました。
蔵の皆さん曰く「面白い取り組みはしていません」とのことでしたが、
むしろそれこそが最大の魅力であり強さだと感じました。
■日本酒への想いと、若い世代へのアプローチ

赤武酒造さんの酒造りの軸には「若い世代にも日本酒を楽しんでもらいたい」という想いがあります。
その姿勢は酒質にも現れていて、アルコール度数12度の「AKABU AIR」は、やわらかく飲みやすい設計。まさに日本酒初心者への入口にふさわしい一本です。
赤武酒造さんの人気商品は予約完売が当たり前で、非常に高い需要があります。特別なことをせず、当たり前のことを徹底することで生まれる人気。これは、業種は違えど我々にとっても大いに学びになる姿勢です。
■赤武の“普通”は、我々にとっての“学び”
蔵見学の後には、蔵人の皆さんとランチをご一緒する機会もいただきました。純米、純米吟醸、そして限定酒「中務」を試飲させていただきながら、たくさんの質問にも真摯に答えてくださり、酒造りだけでなく経営やブランディングにおいても多くの学びを得ることができました。
見学前、「うちは見どころがないかも…」とご謙遜されていましたが、品質管理や衛生面といった一見「当たり前」に見えるところを「当たり前ではない高いレベル」でやり切る姿勢から、仕事に対する自信がしっかりと伝わってきました。
■最後に
日本酒原価酒蔵も、「手軽な価格で日本酒をもっと楽しんでもらいたい」という想いを軸にしています。その意味では、赤武酒造さんと目指している方向性には重なる部分が多く、共感と応援の気持ちでいっぱいになりました。
今回の訪問を通じて、「凡事を非凡に徹底することの価値」を改めて痛感しています。
お客様に赤武の日本酒をおすすめするとき、ただ「人気のお酒です」と伝えるのではなく、今回見聞きした内容の中から何か一つでも言葉を添えることで、その魅力がより深くお伝えしていきたいと改めて感じました。
以上、赤武酒造さんの酒蔵見学レポートでした。
次回のご来店時、ぜひ一度、AKABUをお試しください!

■赤武酒造とは

赤武酒造は、明治29年に岩手県大槌町で創業しました。東日本大震災により蔵を失うも、2013年に盛岡市で再建を果たし、新たな歴史を刻み続けています。
六代目蔵元・杜氏の古舘龍之介を中心に、「赤武酒造の新しい歴史を創る」という合言葉のもと集まった若い蔵人たちが、情熱を持って酒造りに挑戦。
南部杜氏の伝統を大切にしながらも、最新の微生物学や技術を融合させ、時代に合った革新的な酒質設計を行っています。
発酵のわずかな変化を五感でとらえ、一切妥協のない丁寧な造りを信条とするその姿勢は、フレッシュで透明感のある甘みと香りを持つ酒質として結実。若い世代を含む幅広い層から支持を集めています。
また、ブランド名には漢字ではなくローマ字で「AKABU」を採用し、赤い武士のシンボリックなラベルを展開。初めて手に取った方にも強い印象を与え、何度も選ばれる存在を目指しています。
伝統と革新を融合しながら、“日本酒の未来”を岩手から世界へ発信し続ける酒蔵です。
(引用:赤武酒造株式会社公式サイト(https://www.akabu1.com/))