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日本酒って楽しいを世界へ!日本酒専門居酒屋|日本酒原価酒蔵

【蔵見学録_04】“信州亀齢という名の、まちづくりプロジェクト”【岡崎酒造様】

2026年5月13日

こんにちは。日本酒を愛し、日本酒に愛された男佐々木一慶です。

日本酒の沼にはまり続け、気づけば「J.S.A. SAKE DIPLOMA(日本酒ディプロマ)」まで取得してしまいました。日々酒蔵巡りをしながら学びをお客様への提供や店舗運営に反映させています。

長野県上田市にあり、全国の日本酒好きが大注目の、信州亀齢を造る「岡崎酒造」さんを訪問してきました。

今回は第4回目のレポートです!過去アーカイブはこちらから!


率直な感想から

結論から言うと、
ここはテーマ通りで、
“酒蔵”というより“まちづくりの拠点”って感じでした!

酒造りにおいても極めてシンプルで高い品質と合理性を追求しているんですが、
それ以上に蔵元さんの考え方が圧倒的に面白かったです。

「日本酒というプロダクトを通して地域をどう盛り上げるか」

「産業をどう循環させるか」

これを本気で考え、実行していて、
酒蔵の枠を飛び越えた活動にめちゃくちゃ感動しました✨

今回は、
蔵の現場に加えて、酒米を造る棚田、取り組んでいるまちづくりの事例、そして蔵元の考え方をたっぷり聞かせていただいたので、そのあたりを中心にまとめます(^^)


廃業寸前の酒蔵の復活

信州亀齢が今のように人気になったのは、もともと廃業寸前だった蔵を現代表が婿入りして再建したのが始まり。

経歴は都庁勤務!から結婚を経て蔵のある上田に移住、
当時は製造量50石(かなり少ない)で代表を雇う余力もなかったので、
社会福祉法人に勤めてたそうです…

杜氏さんの引退を期に、蔵に最低賃金レベルで入社、
蔵の環境は劣悪で最初に着手したのが整理整頓から😅

酒造りにおいては、日本醸造協会の試飲で酷評され、逆にその講評をくれた方のもとで学び、福島の吟醸酒マニュアルをもとに改革をスタート。
師事したのは福島の日本酒レベルを爆上げしたすごい人だとか。。

そこから数年で一気に酒質を改善し、現在は500石まで製造量を拡大。

シンプルでわかりやすい酒質と地域を巻き込む施策で、今や全国で引くて数多の人気蔵に至る形です!


シンプルで伝わりやすい酒造り

信州亀齢の酒造りはとにかくシンプルで合理的。

お米は長野県産米のひとごこちと山恵錦の2種を使用。
(美山錦、金紋錦、山田錦も少々)

使用する酵母は1801と1001のみ、
あとはそのブレンド比率で酒のキャラクターを調整。
(蔵元限定商品のみ1801と901)

小さな蔵だからこそ味の方向性を揃え、
市場において“信州亀齢らしさ”を伝えやすくする戦略だそうです。

造りも設備も動線もとにかくシンプルで合理的、
コンパクトなスペースで段差も少ないので、いろんな作業をするのにすごく働きやすそうでした。

エラーが起きればすぐわかるので改善もしやすい、
結果的に安定した品質が維持できる。

そんな環境や仕組みが整っているおかげで働く人は8時〜17時勤務、
あまり残業はない超ホワイトな労働環境✨

「環境を良くしてわかったけど、ちょっとブラックの方がいいのかなと思った」と笑いつつちょっと反省していました(笑)

社長自身は他の社員より2時間ほど早く来て仕込み準備に取り掛かるそうで、
これはデスクワークや会食等が続いて身体が弱ってしまわないように、あえて取り組んでいるそうです。50代とはとても思えないスタイリッシュで若々しいお姿だったので、ここはリスペクトせねばと思います◎


“酒の先”にある、まちづくりと棚田保全

信州亀齢の魅力は酒造りだけにとどまらず、まちづくりと棚田保全の取り組みにあります。

上田の棚田を買い取り、農家さんと協業で酒米を栽培、
棚田の米はタンク63本分の仕込みのうち4本分を担っているそう。

棚田を使った酒米の生産を核に、棚田のオーナー制度、棚田を臨むホテルの建設(再来年予定?)、棚田を臨みながらのモーニングなど、地域資源を活かした独自の体験型コンテンツを展開。

さらに、酒蔵が主導する祭りやイベントも開催し、ワインやパンなど他ジャンルとも協業、土地を買って飲食店等のお店を誘致、
行政ともタッグを組んで公園作ろうとしてたり駐車場の買い取りやマイカー規制の実験も行うなど、もはや町のハブ的存在。

これが全部、“美味しいお酒の先”にあるべき姿として描かれてるのが本当にすごかったです・・。


戦略と視座の高さ

岡崎代表は経営目線もかなり鋭くて、
他の酒蔵とは比較できないブランド力の上げ方や個性の追求、
いわゆるブルーオーシャンを狙って今の方向性に行き着いているとのこと。
#ランチェスター戦略や孫子とか好きなのかも

自社の商品に対するクオリティや需要供給バランス等、市場における自社の人気とか立ち位置みたいなのも冷静に俯瞰で見られていて、シンプルに今のキャパではこれ以上造れないという理由もありつつも、あえてちょっと足りない状態を狙ってるみたいです。

何よりすごいのは、
自社内外や行政等の”ヒト・モノ・カネ”を適切に動かすことを、
東京とは違ってなかなか変化をしたがらない傾向がある地方でたくさんの方を巻き込んで実行しているところです。

ここは、周りの人に恵まれてると謙遜していましたが、
岡崎代表のヴィジョンやリーダーシップ、実行力、人柄が凄いから周りも協力してくれてるのかと思います😀

「まちづくりで人を呼び、人が集まることで優秀な人材も集まったり、経済が回ったりと、結果として酒蔵も潤う」

「自分の世代で投資を回収しようとせず、将来のために種を蒔く」

この発想で先々のことまで見据えて自社のブランドを高めていこうと考えているところが他の蔵元とは一線を画していました。


最後に

品質第一はもちろん、酒を起点にまちをつくる発想は、酒蔵や酒屋だけじゃなく、我々のような飲食企業にも通ずる考え方。

単なる商品力勝負だけでなく、地域との関わり方、ブランドのあり方、人を巻き込む力を改めて考えさせられる蔵見学でした。

代表がお話しされる中で、
今日の体験を通じて皆さんに、

「信州亀齢って〇〇」

の〇〇部分をそれぞれで考えてお客様に端的に伝えられるようになって欲しい、といった内容がありました。

私個人的には、
お客様は100人いたら100通りのサービスがあると考えてるので、
お客様に合った”信州亀齢って〇〇”が伝えられたらなぁと思いました。

〇〇の結論を出せない代わりに、
信州亀齢の魅力を伝える時の目的を、

「上田に足を運びたいと思ってもらえるように伝えよう」

こう定めることにしました😀
#目的/問題から考え行動せよ

なので、
最後に皆さんが上田に行きたいと思える紹介を10個挙げて終わりにします!

1.都内から2時間くらいで行けるので日帰り遠足が可能

2.日本酒業界的に入手困難度TOP5には入る信州亀齢が酒蔵に行けば高い確率で買える

3.柳町という江戸時代からの古い町並みが残り、歴史を感じさせるスポットがある(酒蔵もその柳町のメイン通りにある)

4.上田城跡という有名な戦国武将、真田幸村のゆかりのスポットがある

5.温泉もある

6.空気と水が綺麗

7.棚田の景観が良い

8.何やら美味しそうでおしゃれなカフェとか飲食店とかいっぱいあった

9.そばの量が多い(並盛りで二人前の400g)

10.上記が大体車なしで行ける(7以外?)

こんな感じです笑

それでは長くなりましたが、今回はこのあたりで!
引き続き”日本酒って楽しい”をお客様に届けていきます💪


花の香酒造とは

岡崎酒造株式会社は、寛文5年(1665年)、長野県上田市・柳町にて創業。
上田城下を潤す菅平水系の清冽な水と、信州産の良質な酒米を生かし、350年以上にわたり地元に寄り添った酒づくりを続けてきた老舗蔵です。

酒造りは、信州の風土を映す「美山錦」や「ひとごこち」、さらに吟醸酒には「山田錦」などの酒造好適米を厳選。限定吸水・箱麹・小仕込といった伝統的な手法を貫き、一升の酒に約20倍もの仕込み水を用いながら、豊かな自然と清冽な名水をそのまま酒へと昇華させています。

澄んだ空気、きびしい寒気、爽やかな夏が育む信州の四季が、芳醇でありながら透明感のある味わいを生み出す――それが「信州亀齢」の魅力です。歴史ある蔵と直営店は、北国街道の宿場町として栄えた柳町にあり、利き酒も楽しめます。
伝統と革新を重ねながら、地元に愛される信州ならではの酒をこれからも醸し続けていきます。

■公式サイトhttp://www.ueda.ne.jp/~okazaki/