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日本酒って楽しいを世界へ!日本酒専門居酒屋|日本酒原価酒蔵

【蔵見学録_05】『川の流れの如く——“自然体の哲学”に学ぶ』【川鶴酒造様】

2026年5月13日

こんにちは。日本酒を愛し、日本酒に愛された男佐々木一慶です。

日本酒の沼にはまり続け、気づけば「J.S.A. SAKE DIPLOMA(日本酒ディプロマ)」まで取得してしまいました。日々酒蔵巡りをしながら学びをお客様への提供や店舗運営に反映させています。

今回は、香川県・観音寺市にある川鶴酒造さんを訪問してきました!

案内してくださったのは営業統括の島津様、この方はもともとIT業界出身。
「歴史ある仕事への敬意」から、転身してわざわざ東京から香川に移り住んだ方です✨

今回は第5回目のレポートです!過去アーカイブはこちらから!


川鶴酒造さんのルーツ

川鶴酒造さんは、創業から120年を超える老舗蔵。

さらに会社としての歴史はもっと古くて、

元々は徳島県で藍染業を営んでたそうで、そこから酒造業に転身して今につながっているそうです。

藍染に関してはそこまで詳しくないので端折りますが、藍染も日本酒と一緒で水が超重要らしく、今の蔵の近くを流れる財田川の”中硬水”の水に惚れ込んで、香川に拠点を移して、その後酒造りを始められたそうです。

👇当時の木桶


川鶴の酒造りと“先見の明”

蔵を見学してまず感じたのは、“先見の明”でした!
時代を先取りした設備投資が特徴的で、昭和の時代から鉄筋作りや冷蔵の蔵を導入。

💬いろんな酒蔵を見てきましたが昭和の時代から導入してた事例は初めてでした☝️

他にも、

25年も前から使用するお米は地元の契約農家さんだけからのものに限っていて、使用米の97〜98%が香川県産!隣県の岡山の雄町を瀬戸大橋開通記念で交流が始まったきっかけでわずかだけ使用してるようですが、
基本は「地元の米で地元の酒を造る」が信条。
蔵の目の前にある田んぼは自社で管理。
海外から取り寄せた40年ものの機械が複数あって、それは瓶詰めやラベル貼り用で生産性も向上。

今でこそ上記に挙げたような取り組みをしている酒蔵さんは増えてきてますが、昔から取り組んでる事例がこんなにあるのはすごいことで常に次世代のことを考えられているんだろうと思います✨

そういった考えは今も続いていて、良くも悪くも時代を先取りできていたためかなり老朽化が進んでいて、酒を造って売っては修繕や設備投資や修繕、また造って売っては修繕や設備投資の繰り返しだそう・・

今が大変でも未来のためにそこは惜しまないという考えみたいです👏

👇蔵の前にある自社の田んぼの山田錦


超人気商品、讃岐くらうでぃ

川鶴酒造さんといえば、讃岐くらうでぃ!讃岐くらうでぃは、地元から香川のご当地グルメ、「骨付鳥」に合う日本酒を造ってほしいという要望から生まれたらしいです🍗

🐔骨付鳥とは:骨付きの鶏もも肉をニンニクの効いたスパイスで焼いた料理、普通の日本酒だと中々合わせるのが難しい

骨付鳥といえばビール一択だったらしいので、そこに対抗してジョッキでグビグビ飲めるように低アルコール(6%)、そこまで低アルコールだと甘さが残ってしまうので、白麹という酸味が強く出る麹を使ってバランスを整え、結果的に新感覚な日本酒として誕生しました🔥

濁りを残して酸が高くやや甘みのある味わいで、”大人のカルピス”なんて表現をされたりもします😀Tiktokで日本酒紹介を初めて行ったのがこの讃岐くらうでぃで、358,000回再生でめちゃバズりました👍


https://www.tiktok.com/@sakechanel/video/6989542099586698497?is_from_webapp=1&sender_device=pc&web_id=7639256440381965844

発売からこれまでずっと人気だった上、

コロナをきっかけにスーパーやコンビニまで販路を広げたところ、さらに人気に火が点いた見たく、今では蔵の製造量の3割ほどを占めるほどとか😲

上述のように味わいや造り方が他の日本酒と一線を画すので、”くらうでぃ専用で、搾る機械(通称ヤブタ)や麹を作る機械を用意”しているほどです😲

蔵を案内されながらよくよく見ていくと、商品ラインナップたくさんあるなぁと思って伺って見たところ、ゆうに100種は超えるほどの商品ラインナップがあるそうです!

👇これでもほんの一部

「ここまで爆発的に讃岐くらうでぃが売れてしまうと、川鶴が造るお酒のイメージ=讃岐くらうでぃのイメージになって、他の銘柄に対しても自社のイメージとしても複雑な気持ちはないですか?」

そんな質問をしてみたところ、蔵の方はこう答えました。

「確かにそういう意見も一部ありますが、我々は基本、気にしていません。」

一見さらっとした言葉ですが、ここに”理念の真髄”がありました。


川鶴酒造さんの理念

『川の流れの如く、素直な気持ちで呑み手に感動を』

これが川鶴さんの掲げている理念です。

“川の流れ”のように、どんな流行や波が来ても、逆らわず、無理に制御もせず、自然に受け止める。けれど、川そのものの流れ、つまり“蔵の想い自体”は変わらない。自分たちが想定していなかった形でも、飲んでくれる方の感動を生んでいるならそれは本望だしありがたい。

その一方、讃岐くらうでぃの売れ行きだけに依存せず、次世代に向けた投資や次の矢を放てるよう商品開発は怠らない。まさに理念の「川の流れの如く」を、商品づくりや姿勢そのものが体現されていて、その柔らかさと強さの両立に、川鶴酒造さんらしさを感じました✨


飲食店として学べること

この“川の流れの如く”という理念は、我々飲食業にも通じます。

  • 時代やお客様のニーズに合わせて柔軟に変化すること
  • 飲食店として大切なQSCAを大切にすること

📝QSCAとは、飲食店の経営指針に使われる「Quality(品質)」、「Service(サービス)」、「Cleanliness(清潔さ)」、「Atmosphere(雰囲気)」の頭文字をとった言葉

  • 一喜一憂しつつも、自分たちの理念や価値観を軸に判断すること

たとえば、流行メニューやSNSの波に乗ってうまく活用しつつ、いつもお店はきれいに、チームは雰囲気良くを保って、その奥にある“何を届けたいか”はブレずにやっていこうみたいな感じですかね!


今後に期待大!?オリーブ酵母

今回色々お話を伺った中で、個人的に一番今後の伸び代を感じたのがオリーブ酵母を使った日本酒です。

オリーブ酵母とは:香川県産のオリーブの果実表面から発見された、日本酒醸造に適した酵母。正式名称は「さぬきオリーブ酵母」といい、果実のような爽やかな香りとトロピカルな酸味が特徴です。この酵母は、香川県酒造組合と香川県産業技術センター発酵食品研究所が共同開発し、2020年に県内4つの酒蔵から「オール香川」で造られた日本酒が発売されました。

ちなみに、香川県でオリーブ栽培が盛んなのは、地中海に似た温暖少雨の瀬戸内式気候がオリーブ栽培に適していることと、明治時代に国が行ったオリーブ栽培試験で小豆島だけが成功したことがきっかけらしいです。

今、日本酒の価値とか魅力の指標って、ただの味わいとかではなく、その土地の気候風土や歴史が表れていることも重要になってきてて、それは今後も加速するとみているんで、この香川県ならではの素材、オリーブ酵母は他所が真似できない強烈な強みになるだろうなぁと予想したためです🫒

5年かけて開発さらたこの酵母は、白ワインのような酸と軽やかさが特徴で、やや低アルコールで飲みやすく女性にもウケが良さそう。

和食だけでなく洋食も合いそうですし、実際に海外(特にアメリカ)でも好調っぽいです。蔵の方からすると、まだ動きとして弱めで今後が読めない感じらしいですが、くらうでぃに続く“第2の柱”として要注目かなと思うので、皆さんも飲んでみてほしいです!


最後に

“川の流れの如く、素直な気持ちで呑み手に感動を”

この理念は、言葉の美しさだけでなく、実践され続けてこそ光るもの✨

蔵の皆さんの柔軟な姿勢、ただ流されるだけでない次世代を見据えた取り組み、そして呑み手を喜ばせたいという想い。すべてがその言葉を体現していました👏変化に逆らわず、流されず、ただ自分たちの“想い”をまっすぐに流し続ける。それこそが、川鶴酒造さんの“哲学”であり、“美学”、といった感じでまとめさせていただきます😀